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草虫こよみ xusa musi coyomi

:::::::::::::::くさ むし そら うみ つち ひかり

渡り鳥がやってきた

今朝ふと窓の外を見たら、渡り鳥の飛来
雁の旅団だ
次々と糸のように、ときには隊列を矢印のように組んで、
窓から見える一色の海に降り立っていく
おもわず、家のなかで1人でワォ~!って浮足立つ

やってきたんだね
ようこそ!
よく来たね
疲れきってお腹ぺこぺこでよく翔んできたね

その数相当、千羽ほどはいるようにみえる
あとからあとから・・
隊列から離れた鳥はちぎれるように必死にとんでる

ほどなく真名瀬の漁師、四郎さんのところに用事で向かうと、途中の波打ち際にさっきの雁たちが羽を休めているのが見えたのだが、車だったので停めれず残念に通り過ぎて、真名瀬浜に

しばらく浜で四郎さんと話していると、
雁たちがこちらに移ってきた!
一列になってエンエンと切れることなくやってくる
思わず歓声
すこし離れた沖に次々と着水
四郎さんが言うにはイワシの群れがそのあたりにいるのだそうだ
たくさん食べてゆっくりおやすみ
イワシも鳥の一部となってまた渡っていく

毎年間違えることなくやってくる何千キロもの旅
目指していた地点が、前の年と違って埋め立てられていたり、汚染されていたりすることだらけだろうに

めぐり、還る自然の摂理

季節ごとに咲く花
川を上る魚
渡りの鳥
冬眠から目覚める蛇やカエル

その時が至り、なにかに突き動かされる衝動がやってくるのだろう

この星のサイクルに沿い、体現する命のいとなみを目の当たりにするとき人はこころ揺さぶられる

年の暮れにステキなものを見ました。 xusa

101230_1310~01

(そのとき携帯もカメラをもっていなかったので別のところで撮りました。遠くに雁がいるのだけど見えない・・)

  1. 2010/12/30(木) 23:44:11|
  2. 海辺の生活

紙漉き 海苔好き

28日、表参道の街野原で緊急ワークショップ開催。白い紙で迎える新しい年、というお話にものすごくのってくださった紙漉き継承者の田村正師匠の厚意で、街野原で育ったトロロアオイをネリにして、楮から紙を漉きました。都会の石ゴロゴロの厳しい環境で育ったトロロはさすがに粘りが強く、少量にもかかわらず、ネバネバでした。当初はここに生えている桑の枝を紙の原料にする予定でしたが、剪定で枝がなくなっていたので、紀州の楮を使わせてもらいました。

11時半から黒皮楮の皮をはいで、チリをとって、たたいて、紙をすいて、夕方になって紙を乾かしました。そのときにアウトドアライターでカメラマンの鈴木氏が「この風景どこかで見たことがあった、と思ったら、海苔づくりですね」といいました。
そうしたら今日、ちょうど読んでいた本に浅草海苔のことが書いてあって、おもしろかったので紹介します。浅草海苔は浅草紙づくりからきたのですって。で、おもしろいのが、川柳の
「竜宮は浅草のりの落とし紙」
浅草紙というのはご存知のように再生紙で、落とし紙にされていました。無粋ですが、解説すると乙姫様のトイレットペーパーは海苔、ってことなんですね。白い紙からとんだ落ちであいすみませぬ。musi
  1. 2010/12/29(水) 18:43:44|
  2. 草で作られたもの

旧暦の年の瀬はまだですが

このわたしたちよりのんびりしている人たち(それもお店)があるのだと知って、なんだかのびのび。
草暦は旧暦に対応しているので、あせる必要もないのですが、それでもやっぱりxusaもmusiも、暦制作と発送、12月のタイムリミットを感じつつやってきました。で、もう終わりだー、と思いきや、ここにきて注文してくださるお店があったのです。奈良と盛岡から。なので再度お店一覧をアップしました。

草暦取り扱いのお店

※ちなみに折りタイプはmusiは完売、xusaから若干数は発送できますが新暦年明けとなります。
  1. 2010/12/27(月) 08:38:45|
  2. 草暦

冬至SURF&SWIM

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今日の海は気持ちよかった。
ほど良い波(私向き、という意味で♪)
煌めく海光
やさしい水温
キラキラの太陽に向かってパドルする
下丹田でボードを海の底、ただ一点に合わせて乗りこなす感覚、爽快
光を吸い込んで、
波の力と同調して
ただわけもなくうれしくなる

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今日はなぜか実のものが浜辺に漂着していた。
おまけに帰りにばったり会った友人に鬼ユズという巨大なユズをいただく。
実ものの日

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冬至の今日
うれしいギフト  xusa

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こちらは森の中で冬至。
照葉樹の原生林にちかいところに行きました。
服部植物研究所の方につれていってもらったので、うつむいたり(コケをみつめていますから)見上げたり、視界がのびちぢみする。
椎の仲間の木がこんなに高くのびているのははじめてだというせいもあるかもしれないが、コケの世界のほんの入り口をのぞいた私にとって、森の感じ方が今までと違う。まるで風景が違って見える。 musi

inohae

kinokoke ほうしたい


  1. 2010/12/23(木) 00:19:53|
  2. 海辺の生活

千年の命

その姿をまだ目にする前から、バクバクと心臓が大きく鼓動する。
神社脇に車を停めた時点でもう胸は波打っている。
また会いにくることになった千年の大樟(クス)。

巨樹。
私が心から畏れるもの。
身体の底から震撼するもの。
あまりのことになかなか会いに来れない。

今回友人を案内することになり、久しぶりに訪れた。
車を下りて境内へ、
すでに胸はバクバク・・
こわいものがこれといってない私、これほどのものを他に知らない。
こわい、というのとは違う。
計りしれない時間がつくりだした自然のエネルギー、霊力にただもう圧倒されている。
ひれ伏す、畏れ敬う、という体験はこれまでにないが、まさにその気配。

ふりむくと、
そこに巨体

IMG_5524_2.jpg

ああ、また会いに来ました。

千数百年を生きてきた大クス。
異形のその姿は木という形のまま木を超え、すでに神の域にいる。

神と向き合う畏ろしさ

相手のあまりの大きさと、刻んだ時間の膨大さに、心臓はドクドク、
相対しているうちに頭もしびれて、いっしょに行った友人共々ズキズキと頭痛。

それでもうれしい。
私はうれしさに打ち震えている、
こんなにも畏ろしいものが千年の時を生きていてくれる。
千年を生きて木霊になった。
むかしむかし、確実にこのクスにもふた葉のころがあったんだな。
そしてもちろん、今ふた葉の木の芽の中には、この先千年を生きるものもいるのだろう。

千年を生きる、
それはどんな心地だろうか。
この樹はそれだけの時の量を知っている。
途方もない時間、
それだけを生きろと言われたら果たしてどんなだろう。

巨樹の周囲をゆっくりまわり、クスと繋がってみた。
手を拡げ、樹からの気をいただき受け止めて深呼吸を何回かしてみる。
すると、ドクドクしていた心は、なんと、さあっと潮が引くように落ち着き、心臓は鎮まり、頭痛も見事に消えたではないか。

老クスとつながったんだ。
あまりの畏れ多さにいままでチャンネルを合わすことができなかっただけ。
気功の呼吸を静かにとりいれてみたら、あっという間に同調することができ、気はめぐりはじめた。

木=気
だろうか。

大きな大きな静けさとおおらかさ

千年間の重みが刻む外観とはうらはらに老クスの本性はかろやかだ、と思った。
そう思ったとき、中の洞(うろ)から、トボケた顔の猫がひょっこり顔を出した。
クスは千年以上いろんな命にその身を提供してきたにちがいない。

木は地の生命力や水を吸い上げて自分に取り入れながら、通過させ、その気を天に抜けさせる。
天からは光を受けて光合成。
この星の生命体として、かなり理想的な循環のできる種族かもしれない。
だから生命のなかでも最も長生きなのだろうか。

やっと自然な心地で向き合えた老樹
次に会いにいくのが楽しみになった。
ゆったりと日をおいてまた巡りあいたい。  xusa
  1. 2010/12/18(土) 23:14:11|
  2. 自然環境

人生のかたづけ

ちょうど「掃除の楽しみ」の展示前に、里帰りしたら、いきなり「ええところにきた、手伝ってくれ」。父が納屋で古紙回収の男性と本を片付けている。ほとんどが業界誌だが、ずっと大切にしまってきたものなのに、全部捨てるっていうのだから、驚いた。父は納屋の上にある本棚をおいた狭いところでひとりごそごそするのが好きだった(ように見えていた)。
けれどもその日は「わしが死んだら、残った人らが困るだけや」とずいぶんさっぱりしていて、私の方がうろたえる。先日脳梗塞で入院して、そのあいだにいろいろ決めたらしい。
前みたいにてきぱきできない体で、棚から本の束をひっぱりだして私にわたす。整理されているから捨てるのも簡単だ。。。
「350kgくらいあるわね」と回収のおじさんがいった。
なかなかすてきな表紙だなあ、束ねた背表紙にタイトルをマジックで書いてあるのがいいなあ、と眺めている間もなく、どんどん捨てる。せめて写真だけ。

がっかいし
たな

77歳の人のかたづけがはじまった。musi
  1. 2010/12/14(火) 23:41:49|
  2. 徒然

あたたかいと

むしくい

岩手はたいまぐらは雪が降ったそうですが、こちら関東あたりはあたたかい。
こうあたたかいと、畑仕事も保存食づくりものんびりしてしまう。
育てようとしている葉ものは青虫が食べているけど、ふきもクレソンもせりもあって、採集食事に事欠かない。なんとまださつまいもの葉が青い。掘り上げた芋類もそれほど養生しなくても凍みてない。
せっせと収穫というよりも、今食べる分だけを摘んで掘って、明日は明日に、となる。
薪だって死活問題でないから、ひと夜のために小枝を気ままに拾うだけ。

沖縄はともあれ、静岡の人がおおらかでのんびりしているといわれるのもよくわかる。そんな話をしていたら「静岡の人は地震以外はめぐまれてるなあ」と知人がいった。

全部が枯れないので、なかなか片付けができず、リセット感にとぼしいなあ、なんて贅沢な不満をこぼしたり。いつもと違うことをしたり考えたりできて、旅心地。同じように繰り返されると思っていた季節も、そうでない。とても違うときもあるし、かわっていく。 てなこといってて、急に冷え込んだりしてね。。。musi
  1. 2010/12/11(土) 23:03:24|
  2. 自然環境

カサコソ草虫ソトコト

musiは雑誌ソトコトにHands and Plants「草木と手仕事」というタイトルで連載記事を書いています。
植物と、人がそれで何をつくってきたか、という側面から毎回身近なさまざまな草木が取り上げられています。
私の主題とも重なるので興味深いテーマです。

そのご縁で、今発売中のソトコトがカサコソと草暦を紹介してくださいました。
ありがとうございます。

草暦
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xusaは今日も(もう昨日ですね)キラキラの海で泳いできました。
からだの中のホコリがぜんぶ流されて入れ替わったよう。
海で泳ぐとピカピカに再生します。  xusa
 

  1. 2010/12/09(木) 00:04:19|
  2. 草暦

お掃除の会

お掃除をすると、トコロもココロもすっきり~。どちらかというと、というよりはっきりと「ちらかし屋」のmusiですが、だからこそ「かたづけ屋」に興味あり。
表参道かぐれにて展示会をします。題して「掃除の楽しみ 道具と知恵」
12日にはxusaとの共通の友人であるhappy f∞dのまいちゃんのお菓子をいただきながらの、掃除道具づくりというパーティをします。年末にむかってお忙しいとは思いますが、きっと掃除のモチベーションあがりますよ、遊びにきてください。
「oh! 掃除暦」(大掃除にかけてます)という掃除スケジュールが書き込めるカレンダーの無料プレゼントもありますよ。 musi
そうじ
  1. 2010/12/08(水) 15:28:20|
  2. 季節のしごと

新月の浜辺

このところの海はほんとに光がきれいだ
キラキラの中で、この一週間はなんどか泳いだ
おとといはすぐそばの浜に大きな波があったのでボードを持って歩いて行ってみた
ま、サーフィンのほうは話にならない
でも文句なく爽快、
ずぶぬれでまた歩いて家に帰る
からだが全方向に解放・・

きょうも夕陽を見に浜へ行くと
友人たちがそこここに
焚き火セットとさつまいも持参組も
みんなで混ぜてもらって、明るいうちにたきぎ拾い
海岸の松ぼっくりや流木や
そのうち誕生会も合流し、地野菜のご馳走やケーキも運ばれてとっぷり日が暮れるまで

しあわせな海辺
かつて父母のいた彼方、伊豆半島を望みながら

今日は新月
願いが叶い満ちる日
からだに残る
焚き火と皆のぬくもり   xusa

101204_1624~01
  1. 2010/12/06(月) 01:29:06|
  2. 海辺の生活

見えなかったもの 地の衣

ここ1年ほど、宮崎の服部植物研究所の公開準備のお手伝いをしている関係上、小さな植物たちと知り合いはじめました。もともと植物好きと自負していたのですが、コケ類(蘚苔、地衣類)についてはまったく知らなかったことを知りました。肉眼で見る草木たちとはずいぶん違うヒトたちです。
それで楽しみがふえてしまいました。先日も、最初は野菊をみていたのですが、その下に。。。

tii

ひやあ、こんな世界があったんだー。 musi
  1. 2010/12/03(金) 12:49:31|
  2. 草と虫