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草虫こよみ xusa musi coyomi

:::::::::::::::くさ むし そら うみ つち ひかり

草暦の十三ヶ月 三月

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草暦 三月

「草の神や木霊たち」


この数年、沖縄の宮古島に呼ばれて、もう十数回通っています。

宮古馬と呼ばれる在来馬をお世話したり遊んだり、でほぼ終わるのですが、昨年は宮古島の植物にも深いご縁をいただくこととなりました。

クバという植物です。

クバはこの南島地域では、太古から、生活用具の素材として、人々の暮らしを支えてきたものでもあり、
また神の依り代ともなってきた大変重要な役割を担ったものです。

昨年のこと、ある方のお庭からクバの新芽を3本を拝受しました。
クバ自身の意思だそうです、
新芽はちょうど日本刀のような形と大きさ、
ずしりと重く、まさにそこにこれからこの世界にひらいていく命が折り畳まれています。

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それを手で開く、その行為にすでに、生命の鍵をひらくような、密かであり壮大な感覚を受け取ります。

クバはすでに平安時代には朝廷内でもたいへん神聖視されていたといいます。
実際、その気配には、人の心の古層を揺さぶる微細な反響のようなものがあるように思います。

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宮古島から飛行機に乗せて我が家にお迎えしたクバは、私の手の中でさまざまな形になり、身の回りで守護してくれているようです。

その姿に草の神、という言葉が浮かび、
またクバの木にはたくさんの木霊が息づいているように感じ、
クバがやってきた昨年の三月を記念して、この月に登場してもらいました。

馬や植物を通しての宮古島からの問いかけとは何なのか、
日常のなかで、それを毎日想う日々です。

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我が家の壁で、宮古島のクバたちが息づいています。

  1. 2020/03/29(日) 12:28:27|
  2. 草暦

草暦の十三ヶ月 二月

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草暦 二月

「山獣たちより授くもの」



冬は山々で生きる山獣たちには大変困難な 季節。
春が来るまで乗り切れず命を落としていくものも多くいることでしょう。
この時節には、海のそばに住んでいながら、 心はどこか深い山の中の命たちのところにいます。

この絵は、野に棲む狐が、遠く山の方から 聴こえてくる幻のオオカミの遠吠えに耳をすましている、
そんな図として描いてみました。

私の暮らす湘南でも、狸やハクビシンは居ま すが、狐は見たことがありません。
今のこの国では生きていけない狐も、いつか ひっそりと姿を消してしまうのでしょうか。
オオカミも絶滅したと言われて久しく、野生の狼は居ないとされています。
でも私は、実は彼らはまだどこかで生きているのではないかしら、と感じています。

いつか、私たちに’共生’という意識がはっきりと立ち上った時に、
オオカミたちは姿を現す のではないか、そんな日が来るように思えて なりません。

山獣たちの存在は、何千年とこの国で暮らす人たちに精神的にも大きく影響しているよ うに思います。

山そのものへの、そしてそこに仕えるように 棲む獣たちへの畏敬の念は、実は日本文化の 根底に横たわっているような気もし、
私たち の無意識の領域の中で、オオカミの復活が切 望されている、

そんなふうにも想うこの頃です。

xusa
矢谷左知子
  1. 2020/03/29(日) 12:16:17|
  2. 草暦

「自足で暮らす」ジャー村くんお話会

タイトル



ちいさなお話会をいたします。
どうぞご参加ください。
心あたたかな春の午後になるとおもいます。


:::
EARTH BOOKの頁を綴る人々との対話 -vol,3-

【自足で暮らす】
   ー発酵農園ジャー村の日々ー

おはなし
村上厚介さん
a.k.a
Jahmura Gautama

________

二年前、鎌倉の友人の牧ちゃんの旦那さま、ジャー村くんの麹つくりワークショップに初めて参加しました。
春分の日にも関わらず、凍える寒さ、おまけに雪まで降ったその日、ギュウギュウの会場でのジャー村くんのお話、農園の写真から伝わる暮らしぶりは大変興味深いものでした。
熊本の彼の農園の稲や農作物の、尋常ではないほどの見事な成りよう、その姿の美しさ、整えられた風土、景観に息を呑み、
いちどきに作る沢庵や、梅干しの、その量に、度肝を抜かれます。
軽々として、どーん、とダイナミック。
彼からは音源もいただいて、セレクトもとても良く、その後、宮古馬のショートムービーにいくつか使わせてもらいました。
農の暮らしに至るまでのジャー村くんのセンス、それが総合的な創造型となり、今の自足の暮らしと結びついた背景も感じました。
これからの地球での人の暮らし方の、愉しい方法の一つ、をスケール大きく、でも地道に、丁寧に具現されている方です。
この度の来鎌倉に併せて、小さなお話会をお願いしてみました。
当日は奥さんの牧ちゃんも来てくださいます。
静かで温かい、染み透るひとときとなるでしょう。
発酵農園の農産物、加工品も並ぶかもしれませんよ。

矢谷左知子


【日 時】 3月24日(火)新月 13:30-16:00ころまで

【 処 】 草舟 on Earth https://www.facebook.com/kusabune/

【参加費】 3.500円 (お茶・発酵農園の甘酒・沢庵、味噌、試食付き) *草菓子もあるかも。。

【定 員】 小さな場所なので、十名様ほど

【参加お申し込み】 
要予約 
EARTH BOOKのHP、contactページ https://www.earth-book.com/contact よりお申し込みください。
人数も明記ください。
当日精算になります。
お申し込みの方にアクセスをご案内します。
(横須賀線逗子駅よりバス)


【話し手プロフィール】
ジャー村(発酵農園)from くまもと
1981年生まれ。30才まで、熊本市内でサウンドエンジニア、オーガナイザーとして、音楽活動に励む。
3.11の原発事故をきっかけに、玄米菜食の暮らしともに、自給自足を始めると、病弱な体が健康体になりました。
性格も明るくなり、食の大切さを実感し、里山に移住。阿蘇外輪山を源とする湧水棚田で、1町の田んぼに手植え、手刈り、天日干しで自然栽培のお米を育てています。
米麹、味噌、醤油、沢庵なども手作りしながら、販売、ワークショップもしています。
『現代農業』にお米づくりの記事を中心に連載中。
https://www.facebook.com/profile.php?id=100009070609642
:::::::::::::::::::
主催:一般社団法人EARTH BOOK
web site https://www.earth-book.com
  1. 2020/03/16(月) 20:17:51|
  2. イベント

草講座 2020  草リトリート -清明編-

草から
馬から
齎(もたら)される 大いなる共生意識のこと
______________________________



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画:矢谷左知子


草講座 2020 
草リトリート -清明編- 



半年以上おやすみしておりました,
草講座。

内側の変化が早過ぎて、
外側でおこっている事象も待ったなし、
宮古島との往復、
そんな日々におりました。

その間にもたらされた膨大なインストール事項は、
自分のこの先の指針となっていくことと想いますが、
いまはまだサナギ、
今年、いよいよ具体的になっていくのだろうなあ、など感じております。

この春より、不定期に、
より深々と、
そして、かるがると、
再開してみようと想います。

講座、ってなんなんでしょう。
その意味も考えながら、
草講座というものをとらえ直してみようと思います。

表面にまだ見えずとも、
新生、草講座、です。

とはいえ、こんな時ですので、
ライトに、
シェアトークを主に、
いろいろなお話を分かちあうことができましたら。

皆さまとの再会、
あらたな出逢いに、
しずかに胸を膨らませています。

もし心が動かれましたらお待ちしています。

どうぞ、ゆったりとお越しください。


■内容

草と馬のおはなし
草暦のおはなし
季節の草からの気づき・草との時間
静かな時間
シェアトーク
etc.

おやつに 季節の草のお菓子や お茶を


■日時

3月29日(日)
もしくは
4月5日(日)
お好きな日に

各回 13時より16時ころまで

■受講料

5.000円
各回4名さままで


■場所

ー草の隠れ家ー
草舟 on Earth

横須賀線逗子駅よりバス
海の目の前の森の中
お申し込みの方にお知らせいたします。


*お天気がよければ、庭での時間も取りたいと思います。
*時節柄、それぞれの裁量での衛生管理にご留意ください。

=お申し込み=

xusa93hina*gmail.com (*を@に代えてください)
まで、メールにて承ります。

・ご希望日
・お名前
・もしものときに連絡のとれるお電話番号

をご記載ください。


矢谷左知子
  1. 2020/03/11(水) 10:50:46|
  2. 草ワークショップ

レポート【狩猟・採集と大地の再生 身体との呼応】Talk Live 2/29

先日開催したお話会の様子をシェアさせていただきます。 矢谷左知子
::::

EARTH BOOK Talk Live
「EARTH BOOKの頁を綴る人々」vol.2
【狩猟・採集と大地の再生 身体の呼応】レポート

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去る2/29、各所ではイベントも自粛というなか、お話会を予定通り開催させていただきました。
予想に反してキャンセルの方も少なく、当日は朝になってからのお申し込みも続々、と、
会場は定員の30名を上回る盛況となりました。
ご参加の方たちも、遠くは山形、栃木、千葉からもお訪ねくださり、
あらためまして、この時節にお集まりくださった方々に御礼申し上げます。

今回は、自然界での労働に於ける身体感覚という、表出させるのが大変むずかしいテーマでのお話会でした。
もとより、足りないファシリテーション能力も大きな原因でありますが、次々に話されていくその場のお話は、
とてもまとめあげることできず、むりにまとめるのも野暮、と、定めることなく漂流させることに。。;;
ただ、ゲストから発せられる確かな言葉、日々向き合う現場の中でそれぞれの身体に刻まれた唯一無二の実感、
そしてその先に立ち上がるものを共有したい、というこの度の目論みでした。

なぜ?、、なぜなら、
その感覚こそが、他の生命との共生の鍵となる、
他種との共通言語となり得る、人間としての大事な身体感覚ではないか、というこの数年の自分の確信からです。
それが見落とされている限り、共生という次元に行き着けないのではないだろうか、と。

掲げたテーマ自体、分類も曖昧で、また、これまで繋がってきていながった領域。
そこ、に足をかけたい、と、とにかく船出してみた、そんな茫洋としたひとときになったと思いますが、
やはり矢野智徳さん、赤田龍太郎さんのお話は、比類のない、この時代に大事な核の部分ではないか、と
あらためて確認させられる内容でした。

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舞踏、武術、それらの身体アートは、身体そのものに焦点を当てて、その洗練性を高めていくものです。
大変興味深く思っているものですが、時としてそれらは、身体そのものへの意識が過剰になりすぎる分、
逆に本質から遠ざかっているように感じるシーンにも出逢います。

一方屋外での身体労働では、まず仕事の遂行ありきであり、結果的に動きの錬磨がついていくというものですが、
とくになぜかこの国の人々は、さまざまな仕事ごとに、そこで必要な動きを極めてしまう性向があるように思います、
その意味ではアートが目指している領域に、あっさり乗り上げてしまったりもします。

理にかなった動きをしているからこそ、現れるものですが、さらにその先の精微なところまで捉えられる感度がある人のもとには、
完璧な動きの美が出現します。
身体労働に於いて、そこに達している人は稀有だと思うのですが、まさにそこに連なる方々として、
大地の再生の矢野智徳さんと、猟師の赤田龍太郎さんを今回お招きしました。

そしてお二人とも、その仕事の相手は、自然界、

そして、’間に位置する人’

獣と人の間、

大地、空気、水と人の間、

このお二人とお会いした時に、ああ、やっとそこを共有できる人が現れてくださった、と思いました。

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矢野智徳さんのお仕事は、現代土木が本来為すべき道筋とは違う方向性へ走り続けてきた結果、
ダメージを受けてしまった日本中の山、森、川、沿岸部の詰まり
を取り除き、命脈を蘇らせ、大地を息づかせる、大地の修復再生に労を惜しまず奔走していらっしゃる
環境再生士というお仕事です。


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そして赤田龍太郎さんは、相棒のオオカミ犬と共に、野山を駆け巡り、時に這い、鹿や猪、穴熊猟をする猟師。
銃ではなく、自らの手で仕留め、いただいた命を余すところなく次の形へと送り出す仕事をされています。

それぞれの現場は当然ながら野外、
そして、どこも待ったなしの現場とでもいうべきところ。

人間界での知識で太刀打ちできるところではない。
そしてその時に、力づくではない、たいへん微細な対応でことを読み解き、遂行していくこの両氏の身体性、
極度に洗練された身体感覚を私は感じ取り、ぜひ、お二人に仕事に於ける、その感覚のお話を伺いたい、と、
この度のかなり説明しがたい領域のお話会でした。

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私自身、栽培をしない、採集文化のなかでの草仕事の現場は、常にやぶの中、
雑草の代表格ともいえるものが自分の素材のため、未踏の現場で素早く動き、作業を納める繰り返し。
常に身体を研ぎ澄ませて労働してきたなかで、たくさんのことを感じ取らせてもらってきましたが、
そこを共有できる人がいなかった、分かっている人のお話を伺ってみたい、、という長年の夢がかなうのが、
うれしくてしかたありません。

当日は、龍太郎くんが、山の獣たちが里に降りてきて果たす大地再生の、動物たちの仕事の話、
家族として周囲に居る人や共に暮らす動物たちとの身体を通じたコミュニケーション、
互いに日々ケアしあう本当の意味、大切さ、山での猟の際のさまざまな出来事、身体感覚、、

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矢野さんは、日々の大地の再生のこと、被災地での復興での気づき、
また、格言としての「百聞は一見に如かず」のその先の「百考は一行に如かず」が意味するところからの身体論、
「足るを知る」と言う格言の意味合い、足らない、というのが本来の生命を生み出す源、
足らず、不安定、というところにエネルギーの脈動がある、
車や重機なども日々一緒に仕事する仲間としてその能力を引き出していく感覚のお話、等々、

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それぞれが話された内容、世界観を、ひとつの身体論に帰結することは到底できず、能力オーバーな試みでしたが、
懲りもせず引き続き、またこうした実感と実体験を伴った、大事な感覚の領域を拡げていく機会を持てたら、と思っています。

繰り返しになりますが、その身体感覚こそが、他の生命との共生の鍵となる、と確信するところがあり、
宮古馬との共生という課題に日々向かい合う昨今、
そこをもう少し探ってみたいと思うものでもあります。

当日、お集まりくださった皆さま、サポートいただいた方々、ありがとうございました。
動画の記録もしていただいたので、後日シェアの機会も持てたらと思っています。

2/29のレポート記事はこちらも→EARTH BOOK hp

ご参加の方々のナイスな質問があって、この会の締めくくりを助けてくださいました。
いつもながら、皆さまありがとうございます。

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やのさん / やたに / りゅうたろうくん

xusa 矢谷左知子
  1. 2020/03/10(火) 12:17:01|
  2. イベント