草虫こよみ xusa musi coyomi

:::::::::::::::くさ むし そら うみ つち ひかり

海と山のあいだ


新居は山のなか海のまえ

やっと引っ越しがおわった。
前の家の引き渡しが一昨日済んで、ホッとしたら、ちょっとダウンしてしまった。

あまりにも膨大なものを抱えていた。
その整理は荷物の整理というよりは、心の整理のほうが大きくなっていき、短期間でそれを行うことは、ほんとうに苦しいことだった。
この一ヶ月ちょっと、とにかくそれに向き合って、前に進むしかないスケジュールに自分のチャンネルをなかなか合わせることができず、時に心が固まり、号泣し、混乱しながら。
自分の持つすべての物体と直面する、引っ越しって、しまい込んでいたすべてと向き合うことだった。

この葉山の家で初めて作家生活を始めた。
草と交わり、織り機に向かい合い、トントンと布を織った、草たちとのめくるめく自然界の日々、
恋人と過ごし、別れ、母や父の臨終の知らせをこの家で受け、絶望を抱えて駆けつけ、戻って次の暮らしを手探りした人間界の日々。
いとおしいことやものたち。
庭の 木や 草や 野菜たち。

それらすべての精算。

時間がかかったなあ
ひとり、長い旅をしているようだった。

いろいろなものたちとの決別。
まだ持ち越してしまったものがあるとはいえ、
とにかく、おわったのだ。
すべてloading済み。
隅々までが洗い出される。引っ越しの醍醐味。

やっと次が踏み出せる。
この5年の猶予期間の終わりはこういう形で来たんだね。
その間、長かったー。

この家が突然用意されて、モノゴトはとつぜんに始まる。

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・・というか、すでにとっくに始まっていたのです。
今この家では先週から友人の写真展をやっています。
まだ私の引っ越しが終わるまえからね。
恒例の葉山芸術祭、
写真家でサーファーの池田徹さんの風通しのよい作品展。
この家によくあった空気感の一コマ一コマたち。

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今回の引っ越しでは周りのみんなに助けてもらい、支えてもらった。
ほんとうに泣きそうにありがたかった。ありがとね。

目の前の海と、すぐ後ろの山の間
ダイレクトなエネルギーの渦のなかで、
この光の場所で、
この震災以後
次に私が紡ぎ、織りつないでいくものはなんだろう。

降って湧いたこの環境での暮らしから、自分はどんな変化をしていくだろう。

心身をここにゆだねることで、この地から受け取るものをかたちにしていく。
もちろん、いつもの、’なりゆきにおまかせ’、でね。

xusa
  1. 2011/05/03(火) 21:44:35|
  2. 海辺の生活