草虫こよみ xusa musi coyomi

:::::::::::::::くさ むし そら うみ つち ひかり

ママはお昼寝

からりと晴れた日の、明るい夕方
それぞれの一日を過ごして帰り道の電車

本をひらけば だるい体がここちよく、
読まないままに本も目もとじて 電車のゆらぎに身をまかす

となりの席に女の子がやってきて、ミィーはミウクー♪と、つくり歌
いきおいあまってときどきわたしに触れる、やわらかい手足
桃色の服や小さなかばん

お母さんがたしなめるけど、あんまりかわいい声なので
いっしょにあそぶ。

「ひろくんちにいってきたの」
と桃色の女の子

「たくさん遊んだよ」

「お母さんとひろくんはつかれてお昼寝しちゃったの」
ふーん

「ちいちゃんは3歳」

ひろくんはいくつなの?
「うーーん、たくさん、、、5歳かな???」

ママがとなりでくすりと笑う

ひろくんは女の子のお友達ではなくて、どうやらママの恋人。

ママとひろくんのお昼寝のあいだ、女の子は「お仕事してたの」

「おねえさんもふたり? ちいちゃんはお母さんとふたりだけなの」

秦野で降りるとき、ママは「いつも日曜にこの電車ですか、そしたらまた会えますね」って。

日曜にいつもひろくんにあうママ。

この電車であわなくなったら、いっしょに暮らしはじめたってことかしら……
それはわからないけど、

「こんど遊びにいってもいい?」ときゅーっとママとわたしの腕をひきよせたちいちゃん

いつか、あなたも恋をするね。

(ひさびさの草虫こいばな でした。お名前は仮名です。)musi

momo
タケノコからタケになるあわいの色

keroro
朝寝カエル、ガマズミの上

hoo
木曽からきた朴の葉

  1. 2012/05/15(火) 19:20:33|
  2. 草虫恋噺