草虫こよみ xusa musi coyomi

:::::::::::::::くさ むし そら うみ つち ひかり

壷中の海 七面天女祭の印象

お寺の台所で、どなたか数人に飲み物をお出ししようとしていたら、
湯のみにボウフラがういていました。
どの湯のみにも入っている、というか、わいてくるので、少しあせり、
これではいけないなあと、懸命にとっていたら、
いつのまにか、わたしは庭の壷の前にいて、そこでボウフラを眺めているのです。
そのなかに白くふやけた小さなミミズもいるなと、みているうちに、
場所は大河の川べりになって、たくさんの白いミミズが泳いでいます。

一匹大きな大きな、わたしがのれそうなほどのミミズが泳いできて、ふらふらとよってきました。
すると小さな亀(川の亀にしては大きい)がやってきて、
ミミズの鼻ずらに近づいて、ぶくぶくとアワを出しました。
ミミズもぶくぶくとアワをだして、お互いにうなづいています。

ふと気がつくと、白ミミズは、どこにでもいるような風情なんだけど、前髪のあるおじさん
になって、わたしの横に立っています。
わたしは「亀と話をしていたの?」と彼にききました。
前髪のあるおじさんは「ま、ま、ま」と返事します。
わたしは「あれは海亀の子どもだったの?」とまたききました。
前髪のあるおじさんはまた「ま、ま、ま」といって、ただ海を見ていました。

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昨日まで、山梨の昌福寺で一週間の旅。
七面天女祭とえみおわすの展示のためのお膳づくりを娘たちとやらせていただき、堪教さんのお話会の聞き役もつとめさせていただきました。
反省点を上げればきりがないのですが、
岩間堪教、祐子さん夫妻をはじめ、かかわる方にたいへんお世話になり、藍を、いや愛をたくさんいただきました。

折りにふれて思い出してきた、なおきくんじゅんちゃんの結婚式のときにじゅんちゃんがいった「子どもが好きなところ」がなおきさんの大きな魅力という言葉、今回はほんとうによくよくこだましました。
期間中は、たくさんの子どもたちとその家族がやってきて、合宿しているわたしも、未婚の娘たちも家族のようにいっしょにいて、こどもたちと遊びました。慣れてきて、育っていく時間も共有している、その自然さ。

ある晩、仕込みをしつつお風呂を待っているあいだ、ソファーにもたれかかってじゃれあっている子どもや家族たちとふつうにいながら、
わたしは、スナフキンのまなざしになりました。
わたしはスナフキンほどの放浪者でも孤独者でもなく、遠くには生まれながらの家族がいて、日々は伴侶と暮らしているわけだけど、子どもがいないので、なおきくんたちとは違うバリエーションの暮らしをしています。
そんなわたしを受け入れてくれて、わたしも、ノコノコと、あたりまえのように加わっています。
スナフキンはムーミンの家族たちが好きなんだなあ、会いたくて、旅をしつつやってくるのだなあ。
それはとってもやさしい気持ち、さみしさもふくめて、あたたかい気持ちなんでしょうね。
そしてムーミン家族たちもスナフキンが好き。世の中のバリエーション。

七面天女は子どもの大好きな神さまでもあります、食べたいほどに。
でも好きというのは、きびしさでもある。
ざくろの実の美しさを恐ろしさ。
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壷中の天ならぬ、海の夢を、わたしは今回の旅を終えた夜に見たのでした。

いっしょにいて助けてくれた人々、お越しいただき味わってくださった方々、どうもありがとうございました。

musi
  1. 2014/11/12(水) 09:48:18|
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