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チップス先生さようなら

きのう、とりよせた文庫本(古書)がとどいたので、夕飯後に読んで、かなりぐっときたので、ひとまわり以上年上の家人に「チップス先生って読んだことある?」ときいたら、「英語の教科書にのっていたから、いやな思い出しかない」といわれました。なんて不幸な出会いだろう、彼は英語の教科書に小説の抜粋があったせいで、英米文学ってうすっぺらだと感じたらしい。。。

チップス先生をとりよせたのは、あるお茶関連のイベントで、「お茶と読書」という切り口でお話を、となったからです。
(でもこの切り口はなくなってしまったの。没企画no.xxx)

チップス先生さようなら、をわたしは子どものころ(幸運にも教科書でなく)読んで、あらすじはまったく忘れているのに、お茶をミックスして訪問者に出すシーンだけを折りにふれて思い出していたので、チップス先生のお茶会のシーンを紹介しつつ、みたいにしたらどうかな、とプランニングして、本を取り寄せたのです。

そしたら、お茶は別として、内容が個人的にタイムリーでした。
老人の話、杉田玄白つながりのところがあったのです。
版画もよかった。挿絵がちょっとしかないのに情景がありありと浮かぶところが、小説の素晴らしさですね。
写真や映像もいいけど、想像の予知があるのがいいな。

作者のヒルトンは30代でおじいさんが主人公の世界を描いたのです。

斜陽のイギリスと人間を重ねながらも、
あるきっかけで保守的に固い思想がほぐれたり、
最後に独り身で死んでも、実際の家族がいなくても、家族がいるということ。

平凡というか、特技や高い能力がなくても(ないからこそ)、不幸にみまわれながらも、人生における自分の役割を明確に知っていった人がチップス先生。

この本の中にも生徒である若者と、老人の思いがずれるところがあるけど、10代のころにはこの内容は違った意味でしかわからないのかも。少なくともわたしは最近まで老人のことがわからなかったし、ほんとうには、老人になるまではまだわからないけど、今は少年たちとチップス先生の間にいて、双方を感じている。
年をとるのは。。。熟成agingされていけば、芳醇な世界が(気楽なばかりでないのは確か)ひらかれること。
人によってはそれを臭い! と感じるかもだけど。
香りの好みも人それぞれだし。

musi




  1. 2015/09/13(日) 12:16:51|
  2. 徒然